3月19日、東証REIT指数は18.51%下落し、1,145という値をつけました。約6年6ヶ月ぶりの低水準となります。

REIT指数は2020年2月6日時点で直近の最高値である、2,300に近い数字をつけています。

つまり、直近高値から約半分の大きな下落を見せています。

REIT
(画像=Getty Images)

2019年までREITはバブル状態と言えた

REIT(リート)とは、「Real Estate Investment Trus」の頭文字をとったもので、不動産投資信託とも呼ばれます。

投資家から調達した資金を不動産に投資をする金融商品の一種です。国内では「日本版REIT」や「J-REIT」の事を単にREITと呼ぶ場合があります。

このREITですが、昨年まではバブルと言ってもいいような状況でした。

高値を更新し続け、高水準を維持していた指数です。

その背景として、国債をはじめとする各商品資産の値上がりによる利回りの低下が挙げられます。

より高い利回りの商品を買うイールドハンターと呼ばれる人たちが買い支えている状況がありました。

こうした変わった需給の影響で、売る人が極端に少ないという相場になったため、高値を追い上昇を続けるという結果になっています。

更に日銀の動向も一つの要因です。

日銀は2%の物価上昇の目標を実現のため、年間で900億円の枠を設けてREITを購入しています。

見かたを変えるのであれば、J-REITの価格上昇を後押しさせ、他の投資家達を呼び入れる為に行っているとも考えられます。

日銀金融機構が公表している金融システムレポートでは、不動産向けの貸し出しの対GDP比が14%近くに達している事もあり、加熱相場であるとも示しています。

バブル期の再来とも言われている相場状況が価格の下落を抑えていた、というのが2019年のREIT市場でした。

新型コロナウイルスの影響でREIT市場にも打撃

コロナショックにより世界的に株価の大暴落が続いています。

NYダウも大台である20,000ドルを割り込む等で世界的な混乱は今だに続いています。

そのため、不動産投資信託であるREITも同じように大きく下落を見せています。

下げ方でいうと、日経平均株価の下落よりも、REITのほうが大きく下げていると言えます。

日経平均の下げが2割に対して、REITの下げは3割です。

この大きな下落は、2月の高値からの短期間での下落となっているため、その下げ幅の大きさがわかると思います。

未だにコロナウイルスの影響をがどのような変化をもたらすのかわからない状況ですので、今後さらに下落する可能性があります。

ホテル等の宿泊施設関係への影響

ここで、今後の経済状況で東証REITに与える影響を少し考えてみましょう。

まず1つ挙げられるのが、ホテル等の宿泊施設関係の影響になります。

このような宿泊型の施設では、旅行客の減少により収益が低下します。

4月以降も、旅行客の減少は増加すると計算しているため、日本全国の宿泊業の収益は減少すると考えられます。

住宅への影響

次に住宅への影響です。

賃貸住宅市場への影響はあまりないと考えます。

日本人が住むことの多い賃貸住宅ですので、外国人の需要に対してはあまり変化をしないのではないかという考えになります。

家賃相場になりますが、バブル崩壊や、リーマンショックの時もあまり相場が変動することはありませんでした。

今回の件に関しても、多くの住宅から人が流出するといった話はありません。

住宅需要は変わらずとなりますので、REITの下落によって、住宅相場が変わるということはないと考えてもいいと思います。

マンション運営型の不動産投資への影響

最後に挙げられるのが、マンション運営型の不動産投資についてです。

賃貸住宅への影響はあまりないと先ほど述べましたが、リフォームをして価値を高め売却益を分配している不動産投資には少なからず影響があると考えています。

不動産市場が不況に陥る事で、マンションの価格が下落し、想定していた金額で、売却できないのであれば、利益は減少します。

ただし、マンションの相場が半額以上に下がるということは考えにくい状況ですので、ある程度の下落があったとしても、不況の影響は少ないと考えています。

これらの影響を加味しても、未だにREIT指数は下落してもまだ安定だと考えることが出来ます。

そのため、ここでREITを購入すると言った事も考えることが出来ます。

REITを投資対象として検討すべき理由

ここ数年、REITは右肩上がりで、上昇を続けていた金融商品の1つです。

上昇を続けていたため、なかなか手を出せず、下落を待っていたという投資家も多いかと思います。

今現在REITの価格は高値から半分程の位置にいます。

下落率で言いますと、東日本大震災の30%の下落や、チャイナ・ショックの24%の下落をすでに超える下落となっています。

リーマンショックの60%には届いていませんが、今後更に下落する可能性は存在しています。

REITの割安水準を判断する基準となるものに、NAV倍率と呼ばれるものがあります。

NAV倍率は「Net Asset Value」の略になります。これは純資産価値と呼ばれているものです。

現在の投資口価格が、純資産価値に対して、何倍であるかを示しています。

株式で言うところの株価純資産倍率(PBR)であると考えていいと思います。

通常であればREITのNAV倍率は、1倍前後で推移していますが、3月19日では全てのJ-REITがNAV倍率1倍を割れているという異常事態になっています。

ホテル系のREITに関しては、NAV倍率が1を大きく割り込んでいるものも多くあります。

相場全体からしたら、REITは割安であると考えていいでしょう。

これだけを見ていると、REITを購入する動機としては、まだ少ないと思います。

他の部分から見た利点も上げていきます。

景気の悪化が危ぶまれ、株価が大きく下落していますが、REITにとってはいい方向に向かうこともあります。

それは金利の問題です。

低金利になれば、REITにとっては、低コストで、資金を調達することのできる絶好の機会と考えることも出来ます。

政府が国債を大量に発行した場合は、金利が上がるリスクがあるため、そこだけは注意が必要となってきます。

そしてREIT指数が下落する事でいいことも少なからず存在しています。

REITの価格が下落することで、分配金利回りが上昇することです。

分配金を目当てとして投資する場合は今の状況は願ったり叶ったりの状況であるように感じます。

更にリスクをとるのであれば、リゾート、ホテル系のREITであるのならば、利回りが10%を超えるようなものもあります。

分配金が減少するリスクはありますが、現在の利回りを見る限りは、なかなかの高利回りを数値として出しているのではと思っています。

REITの考えられるリスク

REITを買うべき理由を少し述べましたが、リスクについても説明しなければなりません。

リスクは簡単で、現在の株価が底であるかどうかを確認する方法がどこにもないことです。

多くの金融商品が下落の一途をたどっている現在の相場ですが、どこまで下落するかは未知数です。

それに加え、コロナウイルスの影響もこれからどこまで広がるのかもわかりません。

これ以上下落をしないと勝手に決め込むことは資金の減少を意味します。

コロナウイルスにしても、各国が日夜対応中ですが、感染縮小の目処がたっているという国は今のところ存在していません。

株価がさらに売られるのでああれば、REITもまだ下落する可能性が出てきます。

そうなると、長いあいだ含み損を抱える可能性もあります。

景気減退の引き金となり、今よりも悪い状況になる場合は、最悪の事態として、考えて置かなければならない状況です。

まとめ

今回紹したJ-REITですが、投資対象として検討してもいい時期なのかもしれません。

数値だけを見るのであれば、割安の水準をしていますし、何よりも長期投資をする上で重要な高い利回りも実現しています。

ここで投資を行うことはそれなりに勇気のいる行為でありますが、得られるリターンとしては大きなものを期待してもいいでしょう。

少しずつ買い増しをして行ける資金があるのならば、購入していく事も考えていいかもしれません。

現在は下落ばかりで、含み益が目減りしている状況の方も多いと思っています。

ですが長い目で見る事ができるのであれば、ここは買い場と判断する事も出来ます。

失敗したとしても、自分のルールに従って取引をするのであれば、いつしか大きな利益をもたらしてくれると思っています。(提供: The Motley Fool Japan


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